汚れのメカニズム

目次

KITCHEN COMPOSITION

厨房全体構成

1天蓋ダクトフード

調理時の油煙や湯気をダイレクトに受け止める囲いとなるものです。
厨房内の限られたスペースに取り付けがおこなわれますが、調理内容にあわせて 油煙や湯気をスムーズに外へ排出できるような最適のサイズを選び検討する必要があります。

オイルパン

2オイルパン

吸込み面のグリスフィルターを油煙が通る際に、約80%の効率で油分と煙を分離します。 その分離された油分がケーシング下部に溜まり、ホースを伝ってこのオイルパンに溜まる仕組みです。
ユーザーでも簡単にメンテナンスができ、もしもの火災時にとても重要な役割を担っているのです。

グリスフィルター

3グリスフィルター

調理時の油煙を油分と煙に分離するフィルターです。
ステンレス製のWフェイスタイプがもっともベーシックなものとなっていますが、 用途に合わせたセラミック製の高性能フィルターやパンチングプレスの複層フィルターなど様々な種類があります。
使用頻度に合わせてユーザーでも手軽にメンテナンスをすることができます。

防火ダンパー

4防火ダンパー

グリスフィルターケース内にあり、もしも火災が発生した際に 温度ヒューズが設定温度で切れシャッターが閉じる仕組みです。 ダクト内部に火が回らないように延焼を防ぐものです。
長期間そのまま使用すると、油の固着により正常に開閉できなくなります。 定期的な目視点検や専門業者によるメンテナンスが必要となります。

温度ヒューズ

5温度ヒューズ

防火ダンパーのシャッター部に付いています。 これはシャッターの開閉度を調節でき、通常の厨房設備であれば公称作動温度72℃の ヒューズを装着する必要があります。
またこの部品は消耗品であり、劣化で切れて閉じてしまう事もあります。 その際も専門業者に御相談下さい。

チャンバーボックス

6チャンバーBOX

これは合流地点や分岐地点に設けるもので、様々な条件下でも温度や風量を一定に保ち 空気の流れる音などの騒音も抑えてくれるものなのです。

7ダクト

ダクトは油煙の通り路であり、天蓋フード部より取り込んだ油煙をダクトを通じ排気口より外へと逃がすためのものです。
設備の大きさや施工環境により角ダクト、スパイラルダクト、フレキシブルダクトなどが選定されます。
チャンバーBOX付近や合流付近、そして排気ファン付近などは油汚れが堆積し易く、点検やメンテナンスが必要となります。

7ダクト

ダクトは油煙の通り路であり、天蓋フード部より取り込んだ油煙をダクトを通じ排気口より外へと逃がすためのものです。
設備の大きさや施工環境により角ダクト、スパイラルダクト、フレキシブルダクトなどが選定されます。
チャンバーBOX付近や合流付近、そして排気ファン付近などは油汚れが堆積し易く、点検やメンテナンスが必要となります。

8排気ファン

排気ファンは天蓋フード部より吸い込んだ油煙を外の排気口へと送り出す送風機の役割をします。 これも厨房設備の規模や施工環境により様々なタイプを選択できるものです。
モーターを動力源とする場合、ストレートファンのように直結タイプとベルト駆動によるタイプと2タイプに分かれます。
当然ベルト駆動の場合は定期的なVベルトのメンテナンスが必要となります。 主な症状としては吸込み能力の低下やベルトの滑る音(異音)があげられますが、厨房から離れたところにあり、危険な場所に設置しているケースがほとんどですので専門業者に定期的に点検してもらうことをお勧め致します。
また長期間そのまま使用するとファンの内部や羽根部に油の層が蓄積され、 排気能力の低下や、消費電力の増加、そして機器への負担が大きくなり様々な故障の温床となります。
排気ファンの取り合い部(吸込み口、吹出し口)は耐火性キャンバスダクトを用います。 運転時の振動を抑え、柔軟な伸縮性を生かし機器接続を簡素化する為のものですが、劣化や衝撃により破損(穴、破れ)し排気が漏れる恐れがあります。 こちらも定期的な点検が必要となるでしょう。

排気ファン部油の汚れ
ファン羽根部の油汚れ
ケーシング部の油汚れ
ケーシング部の油汚れ
Vベルト
Vベルトの点検と交換
キャンパスダクトの点検
キャンパスダクトの点検
ウェザーカバー

9ウェザーカバー

外の雨水や風圧の侵入を抑え、効率的に煙を吐き出す為の屋外カバーです。 一般的に先端部には小動物(鳥など)の侵入を防ぐ網を設けます。
長期間そのまま使用すると網目が油汚れで目詰まりを起こし、排気効率が著しく低下する場合もありますので、定期的な点検が必要となります。

防鳥ネットの点検

10防鳥ネットの点検

COMMON TROUBLES and SOLUTIONS

よくあるトラブル事例と解決例

CASE.1

天蓋ダクト内のダンパーが閉まって応急処置をしたが・・・

状 態

営業中にダンパー部のシャッターが閉まり、油煙を吸わなくなったようです。
営業に差し支える為、応急処置で焼き網で全開状態にしたようです。

初期状態
初期状態

原因解決法

温度ヒューズの劣化による不良(切断)が原因。
油分の固着でシャッター部も完全に閉まらない状態でしたので、立上り部とダンパー清掃、そして温度ヒューズ交換となりました。

立上り部の油分除去
ダンパー清掃・ヒューズ交換後取り付け

CASE.2

テナント店舗で開業する為、清掃で使える設備はそのまま使いたい。 しかしグリスフィルターが油の固着でビクともしない。

状 態

以前のお店の方はあまりメンテナンスはされていなかったようで、当時の油が固まってしまったようです。
初期状態

原因解決法

お湯と洗剤の力を使い時間をおけば大丈夫です。 一番厄介だったのはフレキシブルオイルホースでした。
ホースの内部で油による閉塞が起き、これではせっかく分離した油分をオイルパンに流すことができません。
フレキシブルホースは熱湯に浸け置きし、針金で復旧あるのみでした。
すべて分解清掃で解決いたしました。

各パーツの油分除去清掃
完了状態

CASE.3

厨房のファンを運転させると、ダクトを伝わってものすごい音がする。 オーダーの内容も聞き取れないとの事でした。

状 態

ステーキ専門店で開業して約2年目。以前はラーメン店が営業していたようです。
初期状態(分解前)
ファン内部の状態

原因解決法

音の原因は排気ファン内の油の層が羽と干渉するものでした。
この斜流ダクトファンのケーシングを外すと、見事に羽根が擦っている跡がありました。
排気出口側のダンパー部も凄い状態で完全分解清掃となりました。

↓左右にドラッグして見比べて下さい
8mmくらいの油の層を清掃
ファン内部を清掃

CASE.4

排気ファンの運転をかけても、油煙が残る。掃除をしても店内が油っぽく感じるようになった。

状 態

ファン内部の状態

原因解決法

排気設備を点検したところ、ダクト内部の汚れが直接の原因ではないと判断。一番はファン本体の汚れでした。
片吸込み形シロッコタイプでファンを外してみると、見事に詰まっておりました。
これで吸込み能力もほぼ復旧完了致しました。
後日、天蓋ダクトとダクト内部の清掃もさせて頂きすべて定格に近い状態になりました。

↓左右にドラッグして見比べて下さい
ファン内部を清掃
ケーシング清掃後

CASE.5

排気ファンの吸込みが最近急速に低下した。

状 態

排気ファン本体

原因解決法

排気設備を点検したところ目立った問題はなく、ファンのVベルトを見たところ、劣化によるゴム痩せと伸びが見受けられました。
開業して約3年、メンテナンスはしていなかったようです。
新しいものと交換して復旧致しました。

↓左右にドラッグして見比べて下さい
Vベルト交換

CASE.6

排気ファンからの異音が凄くなってきた。

状 態

排気ファンの運転時の音を確認したところ、明らかにファン本体に異常があると判断。

ベアリング破損状態

原因解決法

ダクトフランジ部を切り離し確認したところベアリングの破損が原因とわかりました。
このタイプはファン軸を端端で押える両持タイプで分解したところ片側のみ破損していました。
交換後グリースを注入して完了です。
このグリースはベアリング部の重要な潤滑剤となります。定期的なメンテナンスが必要です。

取り付け後グリース注入
セットアップ完了
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